賃貸住宅や集合住宅での生活で、近隣の住民から嫌がらせを受けるケースがあることをご存じですか?
近隣トラブルに巻き込まれてしまったら1人で抱え込まずに、上手に周囲の人に相談しながら対処していきましょう。
上手に対応しなければ、嫌がらせが長引いたり悪化したりする可能性があります。
自分自身で対処できない場合の専門機関も紹介しますので、大きな問題に発展する前に対策しましょう。
- 近隣住人からの嫌がらせの初期対応がわかる
- 嫌がらせを悪化させずに解決する方法がわかる
騒音に対してお悩みの方はこちらの記事もご参照ください。
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【そもそも】近隣トラブルで受ける嫌がらせとは?
近隣トラブルで受ける嫌がらせとは、悪意を持って騒音などの迷惑行為を行うことです。
迷惑行為とは、以下のものをさします。
- 悪口などを紙に書いて貼る
- いたずら電話や無言電話をかける
- うわさ話や悪口などを広める
- 理由なくインターホンを鳴らす
- 汚物やゴミなどを家の周囲におく
近隣住人の嫌がらせというと『引越しおばさん』をイメージする人も多いのではないでしょうか?
2005年に近隣住民に対して「さっさと引越し!」などと大きな声で叫ぶ姿がニュースで話題になりました。
これは過激な例ではありますが、誰でも近隣住民から迷惑行為を受ける可能性があります。
悪化させないように初期対応を慎重に検討しましょう。
近隣トラブルで嫌がらせを受ける原因とは?
近隣住人から嫌がらせを受けている場合、何らかの原因により嫌がらせをする人を怒らせてしまった可能性があります。
こちらに悪気がなくても、嫌がらせをする人にとっては許しがたい行為だったかもしれません。
そこで、嫌がらせに発展する可能性の高い5つのトラブルを紹介します。
これらのルールやマナーを守り、お互い適度に気を配ることで未然にトラブルを防げます。
①騒音
騒音は近隣住人とのトラブルの原因になりやすいものの1つです。
騒音が発生する原因は以下のようなものがあります。
- 足音
- 話し声
- 飲み会
- 楽器の演奏
- 家電の動作音
- 子供の泣き声
とくに賃貸住宅の場合は直下の部屋や両隣へ音が響きやすく、トラブルになる可能性が高くなります。
②人間関係やマナー違反
人間関係がうまくいかないとトラブルの原因になります。
最低限のマナーと共同生活のルールは遵守しましょう。
顔を合わせた際に挨拶をするだけでも好印象になります。
③悪臭やゴミ出しのルール違反
部屋から悪臭がしたり、ゴミ出しのルールを守らなかったりすると、近隣トラブルになります。
とくに夏だと悪臭が強くなり、虫がわくこともあるでしょう。
ゴミはこまめに収集所に持っていき、時間や分別のルールを守りましょう。
④住宅の境界
集合住宅の共同部分の使い方に問題があるとトラブルの原因になります。
全員が使う廊下や階段などに私物を置くケースが、境界トラブルの一例です。
自宅以外のスペースを利用する場合は、ルールに従うようにしましょう。
⑤駐車場や車のトラブル
自分が契約している場所以外の駐車や、夜中のエンジン音などがトラブルになります。
来客がきた際の駐車スペースはあらかじめルールを確認しましょう。
また生活リズムを考えて、迷惑にならないように車やバイクを利用する配慮が必要です。
近隣トラブルの嫌がらせはどの程度我慢すべきなのか?
近隣トラブルで嫌がらせになった場合、以下の流れで対策しましょう。
大切なのは以下の2つです。
- 1人で抱え込まない
- 日常生活に支障があるようであればすぐに専門機関へ相談
人によって我慢できる限界は異なります。
生活に支障が生じる前に相談しましょう。
①軽微なものであれば1ヶ月ほど様子をみる
嫌がらせは一時的な可能性もあるため、まず1ヶ月ほど様子をみましょう。
嫌がらせの内容や時間を詳細に記録し、証拠にするのが大切です。
また、信頼できる近隣住民がいる場合は相談し、1人で抱え込まないようにしましょう。
②2〜3ヶ月続くようであれば相談する
嫌がらせが2〜3ヶ月ほど継続すれば、今後も続く可能性が高いため外部へ相談しましょう。
どこに相談して良いかわからない場合は【重要】近隣トラブルで嫌がらせを受けた時の5つの相談窓口・サービスを参照してください。
③精神に不調をきたしているならすぐに対策を講じる
嫌がらせにより、精神的な不調がある場合はすぐに対策を考えましょう。
精神的な不調とは以下のようなものです。
- 不眠
- イライラ
- 集中できない
上記の症状が強い場合は、心療内科などの医療機関に通うことも検討しましょう。
【重要】近隣トラブルで嫌がらせを受けた時の5つの相談窓口・サービス
近隣トラブルで嫌がらせを受けた場合の相談先は以下の5つです。
伝える内容も含めて、どこに相談したら良いのか解説します。
大切なのは1人で悩まないことです。
①管理会社・オーナー
管理会社やオーナーへ相談する際には、客観的な嫌がらせ内容を伝えましょう。
嫌がらせの記録があれば、管理会社やオーナーは状況を把握しやすくなります。
嫌がらせ内容に基づいて管理会社やオーナーは以下の対処をします。
- 入居者全員への注意喚起
- 嫌がらせをしている住民に対する個別の注意
個人で注意をすると逆上する可能性が高いため、嫌がらせをする住人に対して管理会社やオーナーに注意喚起をしてもらいましょう。
②市役所・地方自治体
市役所や地方自治体は近隣トラブルの相談の対応も行っています。
そのため、嫌がらせが酷い場合には、相談した上でトラブルの解消を図ることが可能です。
伝える内容としては以下のポイントをおさえると、市役所・地方自治体の対応が期待できます。
- 自分以外の地域住民に迷惑がかかる可能性があること
- 治安の悪化など地域全体の問題に発展する可能性があること
可能であれば、近隣で同じように悩む人の署名を集めたり、複数人で相談したりしましょう。
③警察
警察への連絡には、嫌がらせの記録を証拠として提出しましょう。
嫌がらせが事件に発展しないように警察は以下の対策を行います。
- パトロールや見回り
- スピーカーで呼びかけ
- 直接の注意喚起
事件性が高い場合はすぐに警察が対処してくれるでしょう。
しかし、事件性が薄いとなかなか動いてくれない可能性があります。
警察へ相談する際にはなるべく多くの証拠を提出しましょう。
④弁護士
弁護士へ相談すると、証拠集めからサポートを受けることが可能です。
嫌がらせをする住人への注意勧告や訴訟まで全て弁護士に頼めるメリットがあります。
しかし、弁護士に相談や依頼をすると費用が発生することに注意が必要です。
弁護士への相談の詳細は弁護士へ相談するをご覧ください。
⑤トラブル改善に特化したサービスを利用する
トラブル対策に特化したサービスの利用で、専門家によるスムーズな対策が可能になります。
警察や弁護士に相談するのはハードルが高い場合に便利です。
詳細は専門機関に相談するをご覧ください。
近隣トラブルで嫌がらせを受けた時の対処法とは?
近隣トラブルからの嫌がらせは、適切に対処しないとエスカレートする可能性があります。
嫌がらせを受けた場合には、以下の順番で対処しましょう。
1人で抱え込むと、精神的に不調をきたすかもしれないため、相談しやすい人に打ち明けてストレスを減らしましょう。
①自分で心当たりがあれば見直す
近隣トラブルからの嫌がらせは、自分に原因があることも少なくありません。
そこで、まずは自身の生活を振り返って、トラブル相手を怒らせた原因がないか考えます。
もし、騒音や共同生活のルール違反など心当たりがあれば、改善してトラブルが悪化しないように心がけましょう。
②嫌がらせを正確に記録する
嫌がらせを受けた場合、客観的な証拠が必要になります。
嫌がらせ行為の日時や内容、その時の状況などを記録しておきましょう。
第三者に相談する際に、証拠があると対処してもらいやすくなります。
インターホンや防犯カメラなどの録音・録画データを用意できればとっておきましょう。
③身近な人に相談する
近隣トラブルを受けたら、身近な人に相談すると気持ちが楽になることがあります。
1人で抱え込むと精神的に追い詰められてしまうかもしれません。
親や友達など信頼できる人に相談し、可能であれば頻繁に家にきてもらいましょう。
1人でないことをアピールするのも嫌がらせ対策になります。
④専門機関に相談する
警察や弁護士はハードルが高いという場合に、専門の相談窓口への連絡がおすすめです
24時間駆けつけサポートに加入している場合は相談してみましょう。
近隣トラブルや生活相談もサポート内容に含まれていることがあります。
また、レプリス株式会社が提供する近隣トラブル解決支援サービス「くらしかいけつサポート」では、元警察官が無料相談を行っています。
くらしかいけつサポートを利用することで、SNSの誹謗中傷対策やストーカー予防も可能です。
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⑤管理会社に相談する
嫌がらせが続き、生活に不安を感じたら管理会社やオーナーへ相談しましょう。
相談の際に嫌がらせのデータがあれば一緒に提出します。
嫌がらせをする相手が明確であれば、相手の部屋も伝えましょう。
管理会社は、その嫌がらせが原因で他の入居者が退去してしまうことや、新たな入居者が見つからなくなることを懸念します。
このままでは入居に不安があることを伝えると良いでしょう。
⑥警察に被害届を提出する
嫌がらせにより、体調不良になったり、所有物が壊されたりしている場合は警察に被害届を提出しましょう。
車のタイヤがパンクさせられたり、ガラスが割られたりすることは傷害罪にあたる可能性があります。
また、無言電話などの精神的な嫌がらせで体調を崩した場合も被害届を出しましょう。
⑦弁護士に相談する
効力のある証拠集めから弁護士にアドバイスをもらえることがあります。
また、法的に問題がある場合は、弁護士による注意喚起や訴訟が可能です。
弁護士によって専門としている分野が異なる可能性があるため、まずは法テラスへの相談がおすすめです。
法テラスとは国が設立した法的トラブルの専門機関で、アドバイスや専門の弁護士の紹介を受けられます。
【注意】近隣トラブルを悪化させないための4つのポイント
近隣トラブルに巻き込まれた場合は、上手に初期対応を行って悪化させないことが重要です。
初期対応は以下の4つに気をつけましょう。
嫌がらせに対して、やり返すことは非常に危険ですので絶対にやめましょう。
上手に周囲を巻き込みながら解決することが大切です。
①対応に誠意を見せる
嫌がらせを受けた理由がわかり、自分に非がある場合は誠意を持って改善しましょう。
しかし、なぜ嫌がらせを受けたかわからないことも少なくありません。
その場合は、自分の生活を振り返って、周辺住民に迷惑をかけていないか考えましょう。
誠意を持った対応をすることで、一時的な嫌がらせであれば終わる可能性があります。
②仕返しは絶対に行わない
嫌がらせを受けて腹が立ったとしても、相手への仕返しは絶対にやめましょう。
相手も逆上して、嫌がらせがエスカレートする可能性が高くなります。
また、仕返しによりこちらも嫌がらせをしたと判断されることもあり、警察や弁護士に相談した際に支障をきたすかもしれません。
③信頼できる人に相談する
近隣トラブルや嫌がらせを受けたら早めに誰かに相談しましょう。
1人で考え込むとさらに精神的に追い込まれる可能性が高くなります。
とくに女性の一人暮らしの場合は、定期的に家族や友達に家に来てもらうのもおすすめです。
④悪化した場合は直接関わらない
嫌がらせが悪化してきて、頭にくるかもしれません。
文句を直接言いたくなる気持ちもわかりますが、直接関わることは控えましょう。
直接関わることで、お互いに気持ちがたかぶってしまう可能性が高まります。
そして、トラブルがより悪化するリスクがあり、解決できる問題も解決できません。
嫌がらせが悪化してきたら、管理会社や警察、駆けつけサポートなどの外部機関に相談しましょう。
近隣トラブルに遭ったら、1人で抱えずにプロを頼ろう!
近隣トラブルに遭遇したら、絶対に1人で抱え込まずに相談しましょう。
当記事では、近隣トラブルに巻き込まれた場合の対処法を簡単なものから順番に紹介しました。
もし相談先に迷う場合は、24時間駆けつけサポートなどのトラブル対処サービスに加入している場合は連絡しましょう。
うまく周囲の人を巻き込みながら対処することが解決につながります。
【この記事をお読みの不動産担当者さまへ】
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