近隣住民との騒音トラブルで心理的に辛くなるケースは珍しくありません。
騒音は、住みやすいはずの自宅での快適な時間を奪ってしまう問題です。
しかし、自分が騒音を発しているという自覚がないケースも多いため、まずは自分でできる対策をしましょう。
また、騒音で悩む場合に警察や弁護士、自治体への相談はハードルが高いと感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで当記事では騒音トラブルの原因と予防法、気軽な相談先を解説します。
賃貸住宅や集合住宅での生活で、近隣の住民から嫌がらせを受けるケースがあることをご存じですか? 近隣トラブルに巻き込まれてしまったら1人で抱え込まずに、上手に周囲の人に相談しながら対処していきましょう。 上手に対応しなければ、嫌がらせ[…]
- 騒音トラブルの初期対応がわかる
- トラブルを悪化させずに解決する方法がわかる
騒音以外の近隣住人とのトラブルに対してお悩みの方はこちらの記事もご参照ください。
近隣トラブルの6割は騒音トラブル!具体的な騒音問題のケースを紹介
総務省の調査によると、令和4年で事件に発展した近隣トラブルの6割が騒音でした。(※)
さらに、感染症の拡大で家で過ごす時間が増えたのも騒音トラブル増加の要因になっています。
騒音の原因は主に以下の5つが考えられます。
どの音も適度であれば騒音にはなりませんが、度を超えるとトラブルになります。
(※)参考:環境省『令和4年度公害等調整委員会年次報告 概要』より
①足音
足音が騒音になるのは以下のケースです。
- 夜間の足音
- 長時間の足音
- 子供が走る音や飛び跳ねる音
とくに2階以上に住んでいる場合は足音が真下の部屋に響きやすくなります。
②話し声や子どもの泣き声
話し声や子供の泣き声も許容範囲を超えると騒音になる可能性があります。
とくに以下のような状況で騒音になりやすいため注意してください。
- 夜間の会話
- 大人数での会話
- 共有スペースでの会話
上記の場合は、窓を閉めたり小声で話したりするなどの対策をしましょう。
③楽器の演奏
楽器の演奏も騒音トラブルの原因の1つです。
賃貸住宅のルールとして楽器が許可されている場合でも時間や音量には注意しましょう。
可能であれば貼り付けられる防音材を使うと騒音対策ができます。
④家電の動作音
家電が動く音も騒音トラブルの原因になります。
比較的大きい動作音が生じる家電は以下の4つです。
- 掃除機
- 冷蔵庫
- エアコン(室外機)
- 洗濯機・乾燥機
掃除機や洗濯機、乾燥機は使用する時間帯に配慮しましょう。
どうしても夜間に使うときは窓を閉める、掃除機の出力を弱くするなどの工夫が必要です。
⑤車やバイクの音
車やバイクの音も騒音トラブルにつながります。
以下のケースでは注意しましょう。
- 早朝や深夜の運転
- ドアの開閉音
- 社内ステレオの音量
駐車場が住宅に密接している場合は排気ガスにも配慮が必要です。
アイドリングが迷惑にならないようにしましょう。
【チェックリスト】みなさんは大丈夫?騒音問題にならないための対策
騒音は、近隣住民への配慮や工夫次第で十分にご自身での対策が可能です。
騒音トラブルに発展しそうな場合は、自分に原因がないかチェックしましょう。
以下の7つが騒音トラブル予防につながります。
- 隣と上下の部屋の住人に挨拶をしておく
- 集合住宅のルールを厳守する
- トラブルになりそうなことは事前に管理会社に伝える
- 一般的な生活リズムを意識する
- スリッパを履く
- 防音グッズを利用する
- 家具の配置を変える
今日からできる対策も多いため、当てはまる部分があれば改善しましょう。
①隣と上下の部屋の住人に挨拶をしておく
近隣住人との騒音トラブル予防には、円滑な人間関係は欠かせません。
騒音トラブルは以下2つが原因といわれています。(※
- 常識やマナーの欠如
- 人間関係の希薄化
常識的なマナーの厳守は社会人として当然です。
しかし、人間関係の希薄化は気になる人が多いでしょう。
まずは、引越し時に挨拶をするだけでもお互いに顔を知れ、安心して接することができます。
そして、普段から近隣住民と顔を合わせた際には、気持ちよく挨拶するようにしましょう。
引越し時の挨拶や、やるべきことに関してはこちらの記事に詳細を載せています。
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(※)参考:橋本典久『全国市役所騒音担当者への近隣騒音トラブルに関するアンケート調査』より
②集合住宅のルールを厳守する
賃貸住宅や集合住宅には入居のルールがあります。
たとえば、以下の項目について定められています。
- 駐車・駐輪
- ゴミ出し
- 喫煙
賃貸契約の際にルールについては説明されるため、入居した日から厳守するようにしましょう。
③トラブルになりそうなことは事前に管理会社に伝える
最低限のマナーやルールを守った上で、気になることは事前に管理会社に相談しましょう。
たとえば、どうしても仕事の関係で夜に生活音がしてしまうケースです。
以下の2点を管理会社に伝えておきましょう。
- 最低限の配慮をすること
- ライフスタイル上、夜間の生活音が仕方ないこと
もし近隣住人が管理会社にクレームを言った際に、事情を説明してくれる可能性があります。
④一般的な生活リズムを意識する
騒音による近隣トラブル予防は、一般的な生活リズムの意識が必要です。
家電の利用や楽器の演奏は、日中に行うようにしましょう。
たとえば、東京都のホームページ(※)によると、掃除機は76デシベルの音量を発生させ、地下鉄や電車の社内の音量と同じになります。
引用:環境省『生活騒音パンフレット』
全ての音量を覚える必要はありませんが、参考程度に知っておきましょう。
参考(※):東京都『生活騒音』
⑤スリッパを履く
足音が下の階に響くとトラブルの原因となるため、必要に応じてスリッパを履いて足音を抑えましょう。
スリッパを履くとクッション性が増して足音が軽減されます。
しかし、滑りやすくなるため、転倒には十分注意しましょう。
⑥防音グッズを利用する
賃貸でも利用可能な防音グッズを活用することで騒音を抑えられます。
主な防音グッズは以下の3つです。
- 防音シート
- 防音マット
- コルクシート
小さな子どもがいる場合は、これらの防音グッズを積極的に試しましょう。
⑦家具の配置を変える
家具の配置を以下のように変えるだけで防音対策になります。
- 背の高い家具を壁側に
- 家具と壁は5センチ開ける
角部屋に住んでいる場合は、隣の部屋がある方の壁に家具を設置するようにしましょう。
また、家具と壁に隙間を作ると音が隣の部屋に響くことを防げます。
【これから対処する人へ】近隣トラブルを悪化させないための3つのポイント
近隣トラブルを悪化させないためには、トラブル相手の立場になって気持ちを考えることが大切です。
トラブル相手に対して不満や怒りが湧くかもしれません。
しかし、そこで感情に身を任せてしまうとさらなる大きなトラブルや事件につながる可能性が高くなります。
以下3つのポイントをおさえて悪化を防ぎましょう。
冷静な対処が自分の身を守ることにつながります。
①まずは自分でできる限りの対策をする
騒音が原因でトラブルが起こった際には、自分でできる限りの対策を行っているかどうかが大切です。
改善に向けて努力していれば相手や管理会社などに伝えましょう。
トラブル相手の理解が得られ、解決することがあります。
②相手と話して状況を確認する
もし直接相手と話し合う機会があれば、お互いの状況確認をしましょう。
ここで大切なのは、相手を責めるのでなく理解しようという気持ちを忘れないことです。
相手が感情的になっている場合でも、こちらは冷静に対処しましょう。
③騒音が生じている時間や内容を記録する
トラブル相手の騒音に悩まされている場合は、騒音の時間や内容などを細かく記録しておきましょう。
今後、さらにトラブルが発展してしまった際の証拠になります。
可能であれば録音や録画など、客観的なデータが望ましいです。
【即実践可】近隣トラブル「騒音問題」の5つの対処法
自分でできる対策を行っても解決しない場合は、具体的な行動で対処しましょう。
5つの方法を紹介します。
上記の方法を目的に応じて解説するので、すぐに対処したい場合は参考にしてください。
①管理会社やオーナーに相談する
トラブル相手と直接関わると悪化しそうな場合には、管理会社やオーナーに間に入ってもらえます。
部屋が特定されないように、全室に注意喚起するなど穏便な対策をしてもらえることがあります。
また、こまめに相談しておくことで、トラブルが原因で退去するときに敷金を返してもらえるかもしれません。
②警察に相談する
騒音トラブルにより、不眠などの精神的な症状が出ている場合は警察に相談しましょう。
精神的な被害でも被害届の提出は可能です。
トラブルがエスカレートし、事件性が高い場合は自早めに警察へ連絡しましょう。
パトロールや見回り、直接の注意喚起などの対応が期待できます。
③弁護士に相談する
事件性が低く、警察などが動いてくれない場合は弁護士への相談も視野に入れましょう。
弁護士への依頼は費用が発生しますが、トラブルの証拠集めから訴訟まで全てのサポートが可能です。
まずは無料で相談できる法テラスへ問い合わせてみましょう。
対策のアドバイスや近隣住人とのトラブルに詳しい弁護士を紹介してくれます。
④引越しを検討する
騒音トラブルによる生活への支障が大きい場合は、引越しも検討しましょう。
解決しようとしてストレスがたまるよりは、引越す方が早いという考え方もできます。
また、以下の4つに当てはまる場合は、引越し費用の補助を受けられる可能性があります。
- 客観的な証拠がある
- 嫌がらせにより生活に支障をきたしている
- 警察に被害届を出している
- くらしかいけつサポートに加入している
これらが揃っている場合、くらしかいけつサポートの生活再建費用の一部負担として最大10万を受け取れます。
くらしかいけつサポートに加入していなくても、管理会社の対策に不備があれば引越し費用の補助や敷金の満額返金をしてもらえるケースもあります。
しかし、管理会社が費用を負担するためには条件が厳しい可能性が高いです。
こまめに相談して証拠を管理会社に提出しておきましょう。
参考:PR TIMES 『近隣トラブル解決支援サービス「くらしかいけつサポート」提供開始!元警察官が入居者を守る』
⑤民間のサポートを利用する
とにかく早くトラブルを解決したい場合は、トラブル解決サポートを利用しましょう。
民間のサポートは、警察や弁護士はハードルが高いと感じる方におすすめです。
24時間サポートに加入している場合は、トラブルや生活相談もサポート内容に含まれていることがあります。
もし加入していたら連絡しましょう。
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また、トラブル対策に特化したサポートを頼るのも良いでしょう。
『くらしかいけつサポート』を利用することで、元警察官相談することが可能です。
快適な生活を過ごすために!近隣に配慮した行動を!
騒音トラブル対策はマナーの厳守や近隣住人に配慮した行動が最優先です。
しかし、どうしてもトラブルに発展してしまうこともあるでしょう。
当記事では騒音トラブルに巻き込まれた場合の対処法と相談窓口を紹介しました。
もし相談先に迷う場合は、くらしかいけつサポートの利用も検討しましょう。
レプリス社の『くらしかいけつサポート』では以下のトラブルに迅速に対応します。
- 近隣住人の嫌がらせ・迷惑行為
- 不法侵入
- ストーカー予防
- SNSの誹謗中傷
上記に悩む場合、専門相談員による相談が無料でできます。
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